こんにちは。久しぶりの更新となりますが、皆さんお元気ですか??
早速ですが、以前安倍首相の散髪に関して国会でも取り上げられたことがあったのをご存知ですか?
美容院での男性のヘアカットのみは現段階では違法行為らしい
というのも、美容師は「国家資格」であり、美容師法というものがあります。「理容師」にも「理容師法」というものがあり、国家資格を取るためにはもちろん、ここの「美容師法・理容師法」の法律をお勉強して筆記試験・実技試験に臨むわけなのですが、そのなかで
<美容師が、コールドパーマネントウエーブ等の行為に伴う美容行為の一環として、カッティングを行うことは、その対象の性別の如何を問わず差し支えないこと。また、女性に対するカッティングは、コールドパーマネントウエーブ等の行為との関連の有無にかかわらず行って差し支えないこと。しかし、これ以外のカッティングは行ってはならないこと>
という「理容師法及び美容師法の運用について」という通知が厚生省環境衛生局から各都道府県知事あてに通知されていたわけなのです。
ここのところが論点になっていたわけなのですが、少しわかりにくいのでわかりやすく解釈すると、要するに
「美容師は、女性のカットは無条件にしていいが、男性については、ただカットだけをするのはいけない」
ということらしいのです。
男性が美容院を通うにはどうしたら良いのか(法律上)
「美容所での男性のヘアカットを一律で禁じているのではなく、『パーマ等の行為に伴う美容行為の一環として』なら認めています。ただし、男性の『カットだけ』という行為は、本来的には理容所でおこなわれる行為と想定しており、美容所でおこなってよいという整理はしていません」(厚生労働省健康局生活衛生課)
とあるように、法律上の話ではありますが、「ヘアカットのみ」は禁止されているようなので、カット+パーマ。カット+カラー であれば問題ないと厚生労働省はいっています。
ただ、美容室でよくおこなわれている洗髪後の簡単なマッサージは、「美容行為の一環」とは認められないみたいですね。そのため「マッサージつきだからカットだけでOK」とはならないようです。
では、美容院はヘアカットのみのお客様をお断りしているかと聞かれると、そんなことはないのが現状ではないでしょうか。
「美容師は違法な事をしている」と声を大に認めているわけではありませんが、
現段階でこの規制が守られているのであれば、町中の美容院から男性のお客様がいなくなってしまうのではないでしょうか。
だからといって、古い法律を守らなくていいという事ではなく、この問題はもっと別な角度で見る必要があると思うんですよね。
「実態とかけ離れた厚労省の通知」が生き残っている背景
美容師法第2条 (定義)
第1項
この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。
とあります。
「美容院は『美容』をするところ→美容院で男性がカットのみをする場合は『美容』にあたらない→美容院で男性のカットのみは違法」という論法
は、果たして今の時代にフィットするのか?という疑問が自然と浮かびます。
そもそもこの通知が出されたのが「1978年12月」に出されたものであることからわかるように、約40年前に出されたものが現在まで通用しています。
「法律を変えなければいけない」とも思いませんし、「古い法律が悪い」とも思わないのですが、
消費者にとって・お客様にとってどうなのか
という視点からみれば、「美容師だろうと理容師だろうと髪を切ってくれるならどちらでも」というのが本音のところではないでしょうか。
何年か前のことですが、自民党から民主党に政権交代されたときに、「管理美容師免許」について「事業仕分けの対象」になったのご存知の方もいるかもしれません。
ですが、今でも「従業員が一人以上いる美容院」に関しては「管理美容師」が必要であって、自民党にまた政権が戻った現在でも「廃止」にはなっていません。(オカダも「管理美容師免許」保持者であり、「管理美容師」です。)
美容・理容業界ともに進化していくべき
つまるところ、1000円カットが流行って、理容室の客離れが進み、理容師の「後継者問題」なども深刻な問題と化しているようです。
数字上で見てしまえば、理容室は年々、減少の一途を辿っていて、1992年度には全国で14万3000店あったが、2012年度には13万店に減っています。
逆に美容院は18万8000店から23万1000店に増えています。
ひとつお断りを入れておくと、岡田は理容師さんをリスペクトしていますし、高校生まで理容院通っていたので理容院は好きです。顔剃りの技術なんて、すごい技術だなと思いますし、もっと評価されてもいいんじゃないかとも思います。
ですが、そうなってしまった現状をひと昔前の「法律を維持すること」でそれが回復するのかどうなのか。はたしてそれがお客様にとって有益なことなのかどうなのか。
美容院で働いている身としても、今の現状に甘えず、今後何が起こるかわからないので、しっかりと足元を見ていかなければなと。
もう一度、美容師も理容師も、客の立場に立って見直すべき時なのかもしれません。岡田も今後気を引き締めていきたいものです。
岡田 彰大


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