「後輩が育たない」
「アシスタントが思ったように成長しない」
といったことに関してのオカダ個人としての独断と偏見のコラムです。異論は認めます。
「教育」っていうのって、本当に難しい。
これはサロンに限らずに、一般企業・会社としての「教育」と言うことに関してはどこも同じ悩みを抱えているんじゃないかとも思います。
美容師であるオカダとしても、お客様に満足していただける上では無視して通れない課題であると常々感じること。もちろん、オカダにもアシスタントのころはありましたし、オーナーや店長にも駆け出しのころがあったように、誰でも通る道であり、そして「教育される側」であった自分が「教育する側」にまわるように、共に自分自身も成長しなくてはいけないと感じる課題でもあります。
「スタッフ全員での顧客満足の向上」を目指すうえでは、担当者スタイリストだけが頑張るだけでなく、もちろん「シャンプー」や「ブロー」という大切な「美容師としての施術」をお願いすることになるアシスタントも含めての技術や接客の向上はもちろん目指さなければいけないものですよね。(担当者が全ての施術を行うスタイル以外ではですね)
先日のコラムでも書きましたが
(以下参照、先輩が何を言っているのか後輩はよく分からない)
思うことがあったので自戒を含め備忘録程度に。
前回の記事でも「依存から自立へ。そして自立から相互依存へ」ということも書きましたが、アシスタントとしてもスタイリストに依存している状態からの脱却。アシスタントが自分で考え、自分で行動することが大事なのかと思っていてます。
言葉にする必要も無いくらいに当たり前なことかもしれませんが、お客様を担当する上ではオカダとしては
「アシスタントに協力して貰っているという姿勢」で、後輩であり会社といった企業単位で見てしまえば部下といった立場ではあるかもしれませんが、お客様に満足していただける為の大切な「仲間」であって、決して自分の「分身」ではないので、
後輩やアシスタントには「自分の思ったような仕事をしてくれない」といった悩みとかも少ないですし、「自分と同じレベルで仕事が出来ないとお客様には担当させない」とかいった形は、今はとっていないです。(昔はそんな時期もありましたが・・・自分が未熟でした。反省。)
もちろん、専門的な知識や技術を必要とする職業なので、お客様に満足していただける一定の基準をクリアしないと出来ない技術はありますが、そこさえクリアしていれば、共に働くうえで美容師としての仲間でありますし、先輩だから自分のほうが立場が上という古い図式はもう捨てたほうがいい気がしてます。
自論ではありますが、アシスタントが思うように育たないのは、
「子供は親が思っているように育たない」
のと一緒で、子供も一人の人間としての自我があり、親が敷いたレールの上に乗っていれば安心という時代もとっくに過ぎてしまった気がします。特にこれからの時代は。敷いたレールの行き先がどこにあるのか、それを見抜く能力に今の若者は優れているのかもしれません。
今までの経験やあり方が通用しないということであれば、それを「○○たるものかくあるべき」といった風に、正義を振るうのにはいささか生きている時代を間違えているのかとも思いますが、
「親の背中を見て子は育つ」
とも言います。アシスタントが成長しないのも、上手くならないのも、そもそも「自分たちが未熟だから」なのかともとらえられるわけであり、
「アシスタントのブローが下手なのは、自分たちのカットが上手くないから」
「後輩が育たないのは、自分たちが成長していないから」
といった先輩である自分たちの問題や課題を後輩やアシスタントから突きつけられているようにオカダは感じてしまいます。そういう見方をしてみれば自分たちが先代のブランドや経験にあぐらをかくこともなく、いつまでも新鮮な気持ちで美容を楽しめるのではないかとも思う今日この頃。
常に進化しなければと。ガラパゴス化して化石になっていくにはまだ早すぎます。
なんでもそうですが、自分の範囲外に責任転嫁して自己解決してしまうのは至極簡単なことであり楽なことでもありますが、そういった事実から目を背けないで、自分ももっと成長していかなければいけないなと、後輩からヒントを貰った気がして、この忙しい年末に改めて背筋が伸びる思いです。
今年ももう残り1週間ですが、各方面への「感謝」を常に忘れずに、来年も良い仕事が出来るように、もっと美容師としても人間としても成長したいものです。
岡田 彰大


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