高校生の頃にバイトをしていた経験があって、あの時期にあんな経験が出来たことは、自分の人生に凄く影響していると思うので書いてみる。
高校の3年間、部活でサッカーをしていた僕は、アルバイトが出来たのは夏休み中の間だけだった。
高校2年の夏休みに、去年亡くなった俺のばぁちゃんの紹介で、始めたバイトがあった。
僕の地元は観光地で、避暑地なので夏休みの間によく観光客が訪れる。なので、その期間にだけお店を開ける商店があった。
コンビニではないので朝8時に始まって夜の8時に閉まる。名前は【ミニマート】。そんなお店で働くことになった。
僕自身、アルバイトは人生で2回目だった。(人生初のバイトはホームセンターの品出しだった。)
バイトの入り方も身内の紹介だったので面接も何も、もう入ることが決まっていて顔合わせみたいな感じだった。
面接の日にお店の鍵を渡されて、「明日これで店開けて。よろしく!」と言われて次の日から正式にバイトとして働くことに決まった。
バイト先へは原付バイクで40分かかる距離だった。
朝は8時からオープンだったので、7時には家を出なくてはいけなかった。朝練のない高校生にしては早起きだ。
そこで僕達は働いた。中学校の頃からの友達を一緒に誘って、交代製で、8時間ずつ。
今思えば変わったバイトだった。
半分はコンビニの様な商店で、半分はレストラン。
店長は20代で、料理長は40代くらい。といっても小さなお店だから他のスタッフはバイトの高校生僕達だけだった。
店長と料理長の2人の仲は悪く、どちらもプライドの高い人達だったので、よく僕達バイトが間に入る事になったし、お互いの悪口をよく聞いていた。
店長の口癖は
「仕事は楽しく遊びは真剣に」
だった。
田舎者の僕達高校生にとって、兄貴の様な存在で、色々と人生について教わったり、暇な時はよく「仕事は楽しくやらなきゃだめだ」といって、暇な時間をどう楽しく過ごすかを教えてくれた。
簡単に説明するとそういうところで、2年間、働いた。といっても冬は雪で人がいなくなるので夏の間に2年働いたという事だ。
高校卒業して、東京に来て、いろんなバイトをしたけど、その【ミニマート】でのバイトを超える楽しいバイトはなかった。
店長は、お客様がいない時に何やっていいか分からなくなっていても
「楽しさとは自分で見つけるもんだ。」
といってボーッとして何もしないでいるのが1番良くないと言っていた。
「遊びこそ真剣に遊ばなきゃダメなんだ。」
と言って、色んな遊びを教えてくれたし、その遊びに向かう姿勢や態度みたいなものを真剣にやらないとプライベートな事でも仕事の様に怒られた。
そういえば仕事で怒られた事はなかったな。
今となってみて、その時の店長の言葉の意味がちょっと分かる気がする。
人生というものは普通に過ごしていたらそんなに面白い事が起きるもんじゃない。
大人は殆どの人生の時間を仕事に費やしている。
だから仕事が楽しくないと、人生の殆どの時間が楽しくないって事になるんだ。
大人にとっては遊びの時間ってのは本当に限られた時間しかない。
だからその短い時間の中で、いかに真剣に無駄なく遊ぶかが人生を面白くさせるには大事なんだ。
時間は有限であって、何に自分がどれだけの熱意をかけて取り組むかによって、人生はいくらでも変わる。
人に言われてやる仕事なんてものは大抵つまらない。だから自分なりでいいから楽しみを見出すんだ。
・・・
ちょっと前に、芥川賞をとった「火花」を見た。かなり今更だけど。
僕にとって店長ははそこに出てくる「神谷」のような存在で、火花を見ていて高校生の頃にした体験を思い出した。
一見すると掴み所がなくフワフワした所もあるけれど、自分の中の考えに太く芯は通っていて熱い人だった。
去年久しぶりに返るともう【ミニマート】はなかった。
今となっては僕の十数年前の思い出話でしかないけど、その時の経験が今僕の中で生きているんだから、あの時間も間違っちゃいないんだ。
僕の中で生き続けるし、思い出は消えない。
自分の文章力の無さを恨むけど、いつかその店長の伝記みたいな話が書けたらいいなぁーと思うなぁ。
そんなとりとめのない話でした。いつかこの記事は消します。
それでは。
岡田彰大


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