こんにちは。スタイリストのオカダです。
さて、スタイリストであり、カッターであり、美容師であるオカダにとって、一番大事な仕事道具はこのハサミでありコームです。
まぁメインで使っているのはこの3本(丁)ですが、いわゆるハサミ、シザーは1本で使っています。スライドもチョップもブランともこれ一本でいってます。(あと、写真にはありませんがレザーも2本使ってます。)
他、セニングが髪を梳く割合別に2本ありまして、どちらを使うかでどういう質感になるか変わります。(結構大事)なのでひとつの頭の中でたくさんのカットが組み合わさっており、ひとつのヘアスタイルが出来ているってわけです。
カットで大事にしているのはなるべく髪の毛を傷ませないこと
いわゆる「髪の毛を梳く」事に関しては、セニングを使うのが嫌いな方も居ますので、オカダとしては通常のセニングとは刃の形状の違う「傷みにくいセニング」を使用していて、なるべくカットで髪を傷ませないような心配りをしているつもりです。
そもそもが「セニング絶対ダメ!やめて!」みたいな方には、オカダはハサミ一本で軽さを淹れていくことも技術習得していますのでもちろん可能です(但しその分時間はかかるので通常はあまり使いません。)
そして、「髪を梳く」=「ダメージ」みたいなことになっていることがそもそもの疑問でして、ちゃんとした道具とちゃんとした方法でカットすれば髪は傷みません。
おそらく、90年代初頭のカリスマブーム全盛時代のいわゆる「軽さ(セニング)全盛期」にめちゃめちゃ軽くしていた人にとっては「梳く=傷む」という捉え方なのかもしれないですが、今は大分良くなって来てますので、安心して下さいね。
珍しくオカダが美容師目線で語ってしまえば、ハサミは「道具」であって、「何を使うか」ももちろん大事なことなのですが、「道具」を「どう扱うか」のほうが大事なのかなと思っております。
使うハサミが変われば髪の毛の質感も変わりますし、髪の毛の逃げ方(マニアックすぎますかね)が違えば、残る髪の毛の質感も変わるし、ハサミの入れ方ひとつとっても髪の表情というものが変わりますからね。
(これ以上続けるととまらなくなるのでこの辺にしときましょう。)
なので、僕にとってハサミはとても大事だし、自分を語る上ではなくてはならないものだと思っています。
技術の価値は原価とは比例しない
当たり前のことですが、あえてやらしい言い方をすれば、美容師もビジネスです。
僕は、今までの美容人生の中で、技術を自分の人生の時間とお金を使って習得してきたので、それなりのカット料金を頂いてます。
「カットなら原価はかからないからタダで切ってよ」
美容師に対して、そういうことをおっしゃる方もいます。悪気はないのでしょうけども、僕は何気なくいわれたその言葉に対して、悔しさを覚えますし、12年経った今でも落ち込むこともあります。
なぜならば、美容師として僕がこのカットをするまでに、それの何倍も、何百倍ものお金を掛けていますし、それまでに自分にとってはかけがえのない「人生の時間」を使っているからです。
ブローを習得するのに何年とか、カットを習得するまでに何年とか、全ての技術や積み重ねた感覚や知識がパズルのピースのように組み合わさって僕たちの仕事は成り立っています。その前の美容師免許を取るまでにも2年かかるし、学費もかなりかかってますしね。
なのにそんなことを言われてしまったら、今までの自分の人生はなんだったのか。自分のカットは一円の価値もないのか。と、本気で落ち込む事もありました。
でも、そういわれてしまう今の自分に問題があるのだと思うし、その悔しさをバネに、エネルギーにして日々更に鍛錬すればいいだけの話です。今ではそう思えます。
そして、仕事の出来る人や、有名な人は決してそういうことは言われないし、「技術職」というものがどういう職業か分かって貰うより、自分が頑張って有名になればいいだけの話なので、自分も12年美容師をしていてもまだまだまだまだだなと再確認させて貰えます。
自分がされていやなことは、同じ技術職やアーティストの方に対してそういう態度をとらなければいいだけのことですし、そうなる為に何をすればいいのか、考えるきっかけになったので反面教師として結果としてはよかったのかもしれません。
なので、自分はそうならないように、自分はそういわれない人間になるように、たかがハサミ、されどハサミ。ハサミの手入れを怠らないよう。僕の大事な相棒ですから。
ネジをはずして、髪を取り除いて、しっかり脂を挿して、革で磨けば、ハサミも長持ちします。なんでもそうですが、毎日のメンテナンスが大事ですね。
たかがハサミ、されどハサミです。道具は道具。ですが、僕のハサミは僕の右手の延長にあります。文字通り、僕の右腕です。
僕は美容師としてハサミに愛されたいからハサミを大事にします。
お客様の髪を大事にしたいから、いつも切れ味のいいハサミで居られるように。
ハサミにも愛される美容師になれるように。髪の毛に愛される美容師になれるように。
今日もしっかり頑張ります。
それでは。
オカダアキヒロ


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