こんにちは。スタイリストのオカダです。
今日は久しぶりに美容師オカダとして「作品撮り」と、ヘアスタイルの話をしようかな。ずっとヘアの話をしてなかったですからね。美容師なのにね。笑
そして、今の思っている事の記録として。最初に言っておきますが、多分美容師の方も、お客様も、これを読んでも役には立ちません。笑
何のために作品撮りをするのか
ここ最近、ここ数年ずっと意識して繰り返してきた「ヘアスタイル作り」、いわゆる「作品撮り」というものから自分自身少し距離を置いていました。
というのも、これは多分僕の凝り性で頑固ものな性格が関係していると思うんですが、作品取りをしていた時には、髪型ばかりに、「ヘアスタイルだけ」に目がいってしまいがちだったのです。
「このモデルさんはこうしたほうがかわいく見える」
とか、
「こんなヘアスタイルが流行るからそんなヘアスタイルを撮る」
とか、(他にもいろいろありますが)「ヘアスタイル」に関して、「どう見せるか、どう作るか」という自分本位な目的になっていた気がします。
作品撮りを意識してやらなくなってから時間が経って、そんな頃の自分を思い返してみてみると、昔の自分って恥ずかしいのですが
「俺ってこんなヘアスタイル作れるぜー!」
「俺のほうが○○よりも(同期や先輩や後輩)かわいいヘアスタイル作れるし!」
とかっていう、美容師としての「承認欲求」的なものが当時の僕には強くあった気がしていて、正直その時には美容師としての自分に自信がない状態で、それをしていないと美容師としての存在価値すら見つけられなかったのかな。と。
必死に自分の生きる道を見つけようとしていた気がします。という風に今思っているということは、多分当時やってたのは自分のための「作品撮り」だったんだと思います。
当時、作品撮りというものは「絶対必要」だとさえ思っていました。毎日モデルさんを呼んで撮影していた頃は「撮影しない美容師は何やってるんだろう」みたいな事を思っていた事もあります。「撮影をやっている自分」を必死に正当化しようとしてたんだと思います。
そして、今度は自分はそんな「絶対必要」だと思っている事を自ら止めて見たら、違うものが見えるんじゃないか。そう思ったら、やっぱり違う価値観が見えてきた気がします。
でも「作品撮り」はやらないよりはやっていてよかったなと思えることのほうが多かったので、その日々も無駄じゃなかったのかなとはいえますし、やらない経験よりかはやった経験のほうが役に立ちます。
サロンワークに置いても作品撮りをずっとしてきて「ヘアスタイル作り」に関しては役にはたってきたのですが、やらない時期を経た今思うことは、
「ヘアスタイル」そのものをうまく作ることそれよりも、お客様のもう少し内側の、「心の声」的なものに少し重点を置いて「お客様に寄り添うヘア」を作りたいと思っています。
「良い美容師」になる前に「良い人間」に
僕は、「ド」がつくほどの田舎を出て18歳の時に東京に来て、せっかく美容師になったのだから「良い美容師」になろうとしてました。
「良い美容師」になる為に「良いヘアスタイルを作れる美容師」になろうとしました。
それ自体は美容師として何も間違っちゃいないことだし、必要なことだと思うのですが、ヘアスタイルばっかりに目がいってしまい、ヘアスタイルばっかりに気を取られてしまい、「良い人間」になることの努力をおろそかにしてしまった気がします。
「良い人間とは何か」みたいなものになると哲学的な話になってしまうので、正直僕にはよくわからないです。これから自分の時間を使って勉強していきたいと思っています。
僕にはいまいち他人の気持ちが分かりません。社会人として12年経ちますが、「社交辞令」というのも、「空気を読む」というのもあまり得意ではありません。よくそれを真に受けてしまって、バカだねといわれます。美容師としては致命的です。
多分僕が「人間」として成長していかなければいけないのは、自分自身がそういう事が出来るようになるという事よりも、そういう人の気持ちをわかってあげられる事。本当に言いたい事が言えなかった人たちの気持ちをわかってあげられる事、そういうところだったんだと思います。
自分の気持ちには正直にいたいです。美容師としてのオカダの気持ちは美容師として「もっとお客様の役に立ちたい」ということ。
今いる既存のお客様もそうですし、まだ見ぬこれから出会うお客様の為に。その人が困っていることを取り除き、美容師として貢献していきたい。美容を通して知らない世界を見せてあげたい。諦めないでほしい。もっと自由に、ヘアスタイルを、ライフスタイルを楽しんでもらいたい。・・・挙げればきりがありません。
そんな風に、美容師としてというよりも人として、誰かが困った時に手を差し伸べられるように、これからも「人間」としての成長というものを求めていきたい。切に思います。
美容師としてのこれから
今作品撮りを一旦止めてみてこの記事を書いていますが、美容師としてこれからも、より良いヘアスタイル作りは目指し続けるし、そのための作品撮りは続けていくと思います。
だけど、自分の中では以前とは「作りたいヘアスタイル」や「撮りたい写真」というものは確実に変わっていってるし、自分の中では「作品撮りをしない選択」というのもアリだと思っています。
今の自分は「作品撮り」をしなくても、「自分のよさ」を知ってもらう事ができます。「良いヘアスタイルが作れる」ということはもちろん良い美容師としての大きな要素を占めますが、それが美容師の全てではないと、今の僕は感じています。
そして、また以前とは少し違った美容師の楽しさを感じる事が出来ています。それもまた離れて見て、視点を変えたからこそできた発見でした。
そしてそんな事を思う今、そしてこれから、自分はどうしていくか。
話は変わりますが、
僕には長らくお世話になっているモデルさんがいます。
かれこれ5年くらい経つのかな?ずっと髪を任せてもらっています。
その間も定期的に撮影をさせてもらっていました。
出会った頃のロングヘアの時代から現在のショートに至るまで、ありがたい事にずっと担当させていただいています。
他のサロンでもバンバン撮影してくる売れっ子モデルなのに、カットは僕のところに来てくれます。変わり者の女の子です。
「オカダ(さん)だったらショートにしてもいい」
と言ってくれたからばっさりいきました。
撮影をしていると、その時は見えなかったものが見えてきます。
ずっと同じ人を撮り続けていると、その時には自分では気づけない事にも気づく事ができます。撮らなくても気づく事はできますが、改めて見る事でより多くの事に気づきます。
同じように気づかされる事もあります。
まるで点と点を繋ぐように、糸を紡ぎ合わせるように。
写真はその人の長い歴史の一瞬を写していきます。写真に撮らなくてもそれは変わりません。
ヘアスタイルは女性にとって、一年のうち365日、いちばん自分の近くにあるアクセサリーだと誰かがいいました。
美容師の仕事は、終わりがありません。ということは、僕の仕事に終わりがありません。
そうであるなら、自分のやるべき事は決まっています。
いつもその人を輝かせるためにベストを尽くす事。いつもその瞬間のその人を美しさをより引き出す事。
その人が輝くために、美しくあるために。そのために美容師である僕が主役になる事はありません。ただただ、自分にできる事を精一杯。力の限り。
これからも粛々と。。。励んでいきます。
オカダ アキヒロ


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