こんにちは。中目黒のパーソナル美容師の岡田です。
美容師になって15年が経ちます。
美容師としてのほとんどを東京で過ごして来ましたが、この度、僕の地元の栃木県の那須という自然豊かな田舎にサロンをオープンすることを決めました。
その経緯や、美容室が出来るまでの過程などを、ブログにつらつらと書いていこうと思います。
自分自身の日記や備忘録として、そして、同じように美容室をオープンしようと思っているどこかの誰かのためになるかな。
僕がフリーランス美容師になった理由
何のワードで検索しているかはわかりませんが、検索からたどり着いた人は僕のことを知らない人がほとんどかもしれませんが、
一応10年間「有名サロン」と呼ばれる都内のサロンで働いていました。
その間はいろいろなことがありましたが今更ここで書くことでもないので省略しますが、良い意味でも悪い意味でも美容業界にどっぷりと浸かって、
いわゆる「美容漬け」な日々を送っていました。
(詳しく知りたい人は過去のブログとかも漁ってみてください。)
そして、10年目の転機として、サロンを移り、そしてそのサロンも1年半で辞め、フリーランス美容師として働き出しました。
いろいろな経緯がありますが、一度、美容師としての自分の力を試してみたかったんですよね。
どこか外国へ一人旅をして自分自身を試してみたくなるような感覚、
「有名サロンのスタイリスト」という肩書きや、そういった看板を外して、「何者でもない一人の美容師」として活動してみたかったのかもしれません。
「フリーランス美容師」なんて、今は珍しくもなんともないですが、
当時は「会社に属さない美容師」というものは珍しく、某美容雑誌の取材依頼なんかも来ていたものです(結局取材は受けませんでしたが)
「フリーランス」として働く美容師さんの中には、お店がお客様を集客してそのお客様の施術を委託されて行う「業務委託」とかもありますが、
僕の場合は文字通り、「フリーランス」の美容師で、主にサロンワークとしていわゆる「面貸し型」として自分のお客様を担当していますが、
その傍らでは、美容学校の先生の免許をとって、美容学校で自分のコース授業なんかを受け持っていたりしていました。
なんでもやってみたかったんです。自分は美容師として何が出来るか試してみたかったんです。
外部講師として招かれる美容師には有名サロンの名前が並ぶ中、
こんなへなちょこな自分ですが2年間授業を担当していました。(元在籍していたサロンの後輩と学校であったりもしました)
そして、ヘアメイクのお仕事や、TVの仕事も頂いたりして、フリーランスとして自由気ままに美容師をしながら約2年間の活動を経て現在に至りますが、
自分が人柱として色々な働き方をしてみて、いまの美容業界やこれからの働き方について思うことや感じることがとても多かったんですよね。
一人でしかできないこと、一人ではできないこと
『人は一人では生きていけない』って、一度は誰でも聞いたことがあるような使い古された言葉ですけど、
あまのじゃくな僕は「それって本当かよ」って思ってました。
だからこそフリーランスになって「絶対一人でやってやる」って思ったし、実際に一人で無理って言われたことも、一人でできたこともありました。
実際に一人でこの2年間やってみて、世間で多く使われている「一人じゃ何も出来ない」っていう言葉を、正直みんな、簡単に使いすぎてるなって気がします。
実際に死に物狂いでやってみて、必死こいて頑張ったら、大抵の事は一人でもなんとかなります。実際になんとかなったからこうして生きてます。
だけど、やっぱりいまの僕一人で行けるステージには限界があって、一人で見える景色には限界があるし、自分一人の限界も肌で感じる場面も多かったですよ。
一人で精一杯高くジャンプしても超えられない壁ってのは確かにあって、誰かに支えてもらわなければ乗り越えられなかったり、誰かと一緒じゃなかったら生まれない感情ってのも確かにある。
自分一人だけで見ているには、世界はあまりにも広すぎることも感じました。自分で広い世界を狭めてしまっているなぁとも。
いまの美容業界にメスを入れるつもりもなければ、一石を投じるつもりもありませんが、
厳しすぎる上下関係や、不透明な給与制度、なくならないイジメやパワハラ、ちっとも良くならない労働環境、、、管理すべき管理職もあまりにも淡白で軽薄で、美容師である前に人としての働く喜びみたいなものって感じられてますか?
もっと美容って楽しいもんだよ?って思います。人を綺麗に美しくすることって、もっと仕事に誇りを持って、胸を張ってもいいんだよ?って。
勘違いしちゃいけないのは、「一人でできないこと」っていうのは、決して「一人でもできることを誰かに手伝ってもらうこと」ではなく、
「一人でできる限りを尽くしてもたどり着けないその先のこと」っていう意味で、
僕はこれから先の人生でそこに行きたかったし、自分と同じような美容師にとってそれができる環境を作りたい。
ただお金が稼ぎたかったり、自分の自由気ままな時間が欲しかっただけなら、今のままのフリーランスで十分ですよ?だけど、魂を燃やす、その先のステージに行きたかったんです。
お客様にとって、美容師にとって、自分にとって
そして、サロンに来てくれるお客様にとってもきっとそれは同じで、美しくありたいお客様を、僕たち美容師ができる限りの力を尽くして新しい世界を見せなきゃいけない。
今まで見たことのない世界へ連れていかなきゃいけない。一緒にいかなきゃ。
だから、僕はそれを叶えるために美容室を作ろうと思いました。僕のサロンじゃない、僕たちのサロンを。
これから美容師になる生徒に美容を教える立場にいる自分が、大事なことに気づくまでにかなりの遠回りをしてきた気がします。
技術は日を追うごとに進化していくし、流行も目まぐるしく変わっていきます。昨日良かったものが今日良いとは限らない。そんな時代です。
ただ、そんな時代でも、綺麗になりたい美しくありたいと願う人がいる限り、美容師が人の「心」を動かす仕事である事は変わらないと思っています。
そして、そんな場所で働く美容師も、心が満たされていなきゃ全てが嘘になっちゃうんだ。
これから僕たちが作るサロン「iLii」は、お客様に心を動かす場所でありたいし、働く美容師の心を落ち着かせる場所でもありたい。そして、それが僕の心の拠り所でありたい。
そんな思いで「iLii」と名付けました。ね、心に見えるでしょ?
今日はサロン名を決めた経緯や僕が感じて来た思い、そんな話でした。これからの想いや願いも込めて。そんな人たちと、ともにサロンを作っていきたいです。
それでは
岡田 彰大


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