こんにちは。岡田です。
ちょっとブログをお休みしていました。随分と久しぶりになってしまいましたが、ここ最近あった事を書いていきます。
始める前に、これはかなり個人的な話です。美容とはまったく関係のない話になってしまうと思います。
ですが、ここ最近色々とあった事を忘れない様に、いつかなにかあったらここに帰ってこれる様な、今の自分を此処に記しておくだけの話です。
なので、少し真面目で、初めてブログを読む方には僕個人のネガティブな内容なのかも知れないし、
本来ブログに書くような内容ではありませんが、備忘録として。すみません。
先日、大好きだった祖母が亡くなりました。
30歳を越えると、色々と周りの環境が変わってきます。
「30歳を超えた自分」が、昔思っていた姿よりも大人になり切れていない部分を、嫌が応にも大人にさせていく様な出来事が一気に起こります。
いつまでも変わらないと思っていた現実が、目まぐるしく変わっていく。
そんな時期を過ごしているんだと身をもって感じている今日このごろです。
美容師は身内の葬式にも行けない仕事
美容師の世界では、この様な姿が「美容師という在り方」だと教わりました。
【美容師にとってそれくらいお客様が大切な事】や、
【お客様がいないと美容師は生きていけない事】や、
色んな「美容師としての心構え」として大切な事が詰まっている言葉だと思います。それに対して一つの考え方だと思いますし、意見するつもりもありません。
僕の話をすれば、僕は美容師になってから今年で12年が経ちます。
その間、身内の葬式が2件ありました。
その内1件は文字通り「美容師だから」という理由で出席する事が出来ませんでした。
その時には「これが美容師か」というなんとも言えない気持ちと、
「なんで美容師だからって身内の葬式に出ないんだろう」という気持ちの葛藤が自分の中であって、
その後の1件は長期休暇を当てて出席しました。結果、そうして良かったと思います。
そして今回、美容師になって3件目。
そういうものはもちろん何回やったって、慣れなくて、とてもいいものではないですが、
僕は出席する事を選びました。
そして、沢山の方の優しさと支えがあり、今回出席する事が出来て本当に良かったと思っています。
美談で済むほど他人事でもないしキレイ事じゃない
別に僕は誰かに頼まれて美容師になったわけではありません。
なので、「自分の選んだ仕事がたまたまそういう仕事だった」という事なのかも知れません。
世の中には、家族の葬式に出たくても出られない人がたくさんいると思います。
家族の死に目に会えない事なんて山ほどあるはずです。
でも、大切な人の最後くらいは、「出れるなら出た方がいい」と今は思っています。世間一般で考えればそれが当たり前なのかも知れませんが。
「出たくても出られない」のと、「出るな」というのは違います。
訃報はいつも急なもので、今回は土日だったのもあり、出席は難しいかも知れないと思いながらも予約が入っていたお客様にご連絡したところ、
ありがたい事にお客様は変更に応じていただけて、前日から出席する事が出来た事を、深く感謝しています。
そう言って下さる方にも恵まれて、送り出してくださって、本当にありがとうございます。
人間としてどう生きるか、その尊厳の様なもの
「家族の葬式にも出ない」ことを、一方では仕事人としての「美談」という解釈も出来ると思います。
「美容師は家族の葬式に出ずに仕事するもんだ」という様な、僕と違った視点で見ると、美容師失格なのかも知れません。
ですが、誰になんと言われても、例え美容師失格だとしても、僕はそれでも全然構わない。
一応ですが、仕事を疎かにするという事ではありませんし、
お客様を放っておけという意味では決してありませんが、
大事なのは自分がどう生きるか、何を選んで生きていくかの様な気がします。
僕が今こうして生きていられるのも、亡くなった家族がいてくれたおかげであって
僕の人生において一番近くで育ててくれたのは家族であり、
何も言わずとも優しく愛を持って見守っていてくれた師は家族であり、
その家族の最後に一緒にいる事を選ぶことは、
今まで生きてきた人生で誰にも侵すことの出来ない僕の人間としての尊厳の様なものなのかも知れません。
そして、どんな時も、その選択を選ぶのは自分自身だという事です。
そして、もし僕と同じような事で悩む様な若い美容師がいたら僕なら何も言わずに送り出してあげたい。
僕はどっちも経験したから、僕は自分が経験して嫌だったことは他の人にはして欲しくないから。
一日二日の売上より、君の人生にとって大事な事があるでしょう?
君が大事にしているものを見失っちゃいけないよ。
きっと君のお客様なら分かってくれるはずだよって。
どんな時にでも「今」を生きる
亡くなったばあちゃんは、闘病中にも
「今までの人生でいつが一番楽しかった?」と聞いたら、
即答で「今!」と答えました。
「今を生きる」事の大切さを、最後まで教えてくれました。
大好きだったばあちゃんが亡くなった今、悲しくないと言えば嘘になりますが、
僕が今そんな姿をしていることがばあちゃんへの餞だとは思わない。
僕もばあちゃんに胸を張って会える様な人生を、これから送っていくよ。
これからも優しい笑顔で見守っていてください。
「今」を生きる事に全力で。
これからも頑張っていきます。
最後に、当たり前ですが、自分が大切な人を、大切なものを、一番大切に。
それでは。
岡田彰大


最新記事 by 岡田 彰大 (全て見る)
- プロとして家族からお金をいただくことの意味 - 2019年11月18日
- 起業したいって相談に来る人へ - 2019年7月5日
- サロン「iLii(イリー)」が出来て半年が経とうとしています。 - 2019年3月12日
- 100万円が手に入ったらどうするの - 2019年1月7日